~処理速度60%アップ、数クリックで冗長化を構成できるウィザードにより、迅速な高可用性設定を実現。製造DXや流通DX実現をめざす企業を強力に支援~
2021年10月12日
シンプル・堅牢・自律的なエッジコンピューティングのリーディングプロバイダーである米ストラタステクノロジー (本社:米国マサチューセッツ州メイナード、社長兼CEO:ディビッド・C・ロレーロ、以下ストラタス社)の日本法人である、日本ストラタステクノロジー株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:松本芳武、以下日本ストラタステクノロジー)は、産業用IoT向けプラットフォーム「Stratus ztC™ Edge(ストラタス・ジーティーシー・エッジ) 」シリーズの新製品「Stratus ztC Edge 200i/250i」を、日本市場において10月15日より提供開始いたします。
「Stratus ztC Edge 200i/250i」では、現場で生成される大量のエッジデータをリアルタイムに処理するため、パワフルな最大10コアのIntel® Xeon®(インテル・ジオン)プロセッサと最大2TBのNVMeストレージを採用、60%の処理速度の向上と、より複雑で大規模なアプリケーションの仮想化集約に対応します。さらにこのような機能向上により、現場のIoTセンサーや各種機器を通じて、IIoT(産業のIoT)によって生成された大量データ処理を可能にします。また、高可用性仮想基盤に、数クリックで冗長化※2を構成できるウィザードを導入することで、従来より構築と運用が容易になり「ゼロタッチ コンピューティング」※1をさらに強化、現場でのIT技術者不足にも対応しています。
コンパクトさと低コストを追求したエントリーモデル「Stratus ztC Edge 200i」は145万円、一瞬のシステム停止も許容できないエッジ環境向けのFT(無停止)モードにも対応したモデル「Stratus ztC Edge 250i」は215万8千円です。(いずれも2ノードセットの冗長構成価格、税抜き)
当社では、日本市場に置いて初年度200台の販売を目標にしております。
※1)ゼロタッチ:運用や保守に手間がかからないこと。運用負荷軽減を実現して、運用の人的リソース不足の解決を図れ、その高可用性から作業コストや運用コストを大幅に削減できます。
※2)冗長化:冗長化とは機器やシステムなどの予備を用意または運用して、二重化(多重化)することをいう。
■クリティカルな産業分野の現場に最適なゼロタッチ・エッジコンピューティング「Stratus ztC Edge」シリーズ
日本ストラタステクノロジーは、ミッションクリティカルなシステムにおけるダウンタイムを回避するための高可用性※3ソリューションとして、様々な業界、規模の企業に多数の製品およびサービスを提供してきました。従来、社会インフラや金融機関などミッションクリティカルな用途で活用されてきた高可用性ソリューションが近年、産業現場や流通現場など、データの発生する現場に近いエッジで使われるケースが急増。特にIIoTとして、産業オートメーション分野のOT(Operational Technology:制御・運用技術)現場にもIoTセンサーやIoTデバイスが利用拡大され、膨大なデータが生成されている状況となりました。
当社は、2018年9月に、このような現場の高信頼性コンピューターへのニーズにいち早く対応したゼロタッチ・エッジプラットフォームとして、「Stratus ztC Edge」シリーズを発表いたしました。このシリーズは産業現場におけるエッジコンピューティングに特化した製品として、2ノード(ネットワークでつながる機器)の冗長化構成をとっており、障害発生時も現場業務を止めることなく健全なノードで処理を継続します。故障したノードは、筐体の入れ替えとケーブルの再接続だけの簡単な作業で交換可能です。また、交換ノードの再接続の際には自動的にデータが再同期されるため、業務を止めることなく、専任のIT担当者がいなくても簡単に冗長化構成を復旧し運用することができます。
このように、「Stratus ztC Edge」シリーズは冗長構成と仮想化基盤を備えたアプライアンスで、簡単操作を実現したゼロタッチ・コンピューティングデバイスとして、シンプルな操作で高いパフォーマンスと高可用性を実現しています。
※3):高可用性:システムや機器が停止することなく稼働し続ける能力を、可用性(アベイラビリティ)という。
可用性が高められた状態を高可用性(HA:ハイ・アベイラビリティ)と呼ぶ。
■「Stratus ztC Edge 200i/250i」の新機能と機能強化点
「Stratus ztC Edge 200i/250i」の新機能と機能強化点は以下の通りです。
- 最大10コアのIntel Xeon (インテル・ジオン)プロセッサと、最大2TBのNVMeストレージの採用により、処理速度が現行機種よりも60%アップとなり、より複雑なアプリケーション、より多くの仮想化集約に対応できます。
- ストラタス社の独自OS(オペレーティングシステム)「SRL(Stratus Redundant Linux)」最新バージョン3が「Stratus ztC Edge 200i/250i」に標準搭載されています。ユーザーは特別な設定や作り込みをすることなく、既存アプリケーションを冗長化された仮想化環境に簡単に構築し、無停止環境で運用することができるため、現場に専門のIT技術者がいなくても運用可能です。
- SRL 2.3は、セキュリティーとパフォーマンスのためのパッチやセキュリティー脆弱性に対応した修正を行っています。
- 新たにユーザーが数クリックで冗長化を構成できる「構成ウィザード」が提供され、より柔軟なノードの構成が可能です。
- 複数の「Stratus ztC Edge」の集中監視と管理を簡素化するクラウドベースの管理ツール「ztC Advisor(ジーティーシー・アドバイザー)」が「ztC Advisor 1.1」へバージョンアップして、サービス提供者が複数顧客の「Stratus ztC Edge」をサポートする際の対応を強化しています。
- 動作温度-20℃~60℃に対応し、過酷な環境でも安定動作します。
- 保守サービスについては、新プラットフォーム提供開始に合わせて保守体系を変更しました。新プラットフォームでは保守サービスメニューをアラカルト化し、お客様環境に合わせたサービスの選択・導入ができるようになりました。
■「IoT時代のエッジサーバー」日本市場における導入について
1986年の日本法人設立(旧:日本ストラタス・コンピューター株式会社)以来、35年間にわたり、日本ストラタステクノロジーは、日本市場に向け高信頼性プラットフォームを提供してまいりました。その無停止の技術を搭載した「Stratus ztC Edge」は、2018年の発売以降、現場のIoTデータ活用を支えるエッジコンピューティングとして、半導体、自動車、医薬・化学、食品、素材、エネルギー、マテハン(マテリアルハンドリング)など、日本のさまざまな産業現場において導入され、「IoT時代のエッジサーバー」として広く活用されています。
- 「IoT時代のエッジサーバー」としての代表的な役割について:
1)現場データの一次処理・保存(エッジ環境での分析処理)
2)設備の監視・制御(発電・エネルギー設備の監視制御)
3)迅速な異常検知、予兆検知(停止の許されない製造ライン・プロコンサーバー)
4)省人化、自動化(製造機器・工作機械への組み込み、制御)
5)トレーサビリティー(自動車、医薬、食品飲料)
6)多品種少量生産への対応(電子機器・家電等)
7)OT(Operational Technology)⇔IT間のデータ連携
8)エッジAI分析(画像診断等)
9)現場PCの仮想化集約
■当社新製品「Straus ztC Edge 200i/250i」リリースに際しての各界のコメント
- 一般社団法人Edgecrossコンソーシアム様:
【ztC Edge最新モデルの販売開始を心より歓迎いたします】
「Edgecrossコンソーシアムは、370社を超える会員企業様と共にエッジコンピューティングを軸とした製造業のスマート工場化を支援して参りました。スマート工場化を進める中でデータ利用が拡大しておりますが、加えて、それを支えるエッジコンピュータの信頼性強化は重要な要素です。この点において、ztC Edge最新モデルは、Edgecrossと共にこのエッジコンピューティングを軸としたスマート工場化に非常に重要な製品と認識しております。日本ストラタステクノロジー様にご参加頂いております弊コンソーシアムのマーケティング部会活動等にて、ztC Edge最新モデルを活用した新たなソリューションご提案を期待しております。」
一般社団法人Edgecrossコンソーシアム 事務局長 徳永雅樹
※一般社団法人Edgecrossコンソーシアム: 企業・産業の枠を超え、コンソーシアム会員が共に構築し、FAとITとの協調を実現するオープンな日本発のエッジコンピューティング領域のソフトウェアプラットフォーム。
- 株式会社ワイ・ディ・シー様:
【このたびのztC Edge新製品のリリースを歓迎いたします】
「当社はYDC SONARをベースに製造現場の品質不良解析、工程監視、トレーサビリティーシステムやコンサルティングサービスを提供しております。ストラタステクノロジー社の製品は現場の複雑でセンシティブなデータを欠損なく収集、蓄積、分析まで実現でき、お客様にもご満足して運用頂いております。同社の戦略は、今後さらに工場にあるあらゆるデータを繋ぎ企業価値向上へ進化させていく当社の方向性と合致するものです。」
株式会社ワイ・ディ・シー 営業本部 本部長 石井利幸
■「エッジコンピューティング」とは:
「エッジ コンピューティング」とは、データセンターやクラウドではなく、人々が活動する場所やモノが生産される工場など、データが生成される場所に物理的に近いところで情報処理を行う「分散コンピューティングモデル」をさします。IoT活用が進み、さまざまな機器が扱うデータの量は爆発的に増えています。データが生成された場所でデータ処理を行うことで、より効率を高めることができるものが「エッジコンピューティング」です。集中処理型である「クラウドコンピューティング」に比べて、「エッジコンピューティング」は分散処理型となりますが、IoTがさまざまな分野・産業において重要となっていく中で、クラウドとエッジの双方の特性を生かしながら、補完的に活用していく形が理想といえます。
- エッジでデータ処理を行うメリット:
1)少ない遅延:遅延をおさえ、リアルタイムなデータ処理が可能。 2)トラフィックの最適化と安定化。3)通信コストの削減。4)セキュリティーの強化。5)BCP(事業継続計画)に対応。
■ストラタステクノロジー社について
1980年創業以来、ストラタステクノロジー社(創業時:ストラタス・コンピューター社)は、「ストラタス」ブランドで、40年以上高信頼性コンピューターのトップベンダーとしてビジネスをグローバルに展開し、世界中のお客様に対して、人命、資産、そして収益を保護してきました。
現在、リスクや不確実性を最小限に抑え、ビジネスの成果を最大限に高めるために、多くの企業で業務のデジタルトランスフォーメーションが進められています。ストラタステクノロジー社は、そのような変革を推進するビジネスリーダーのために、導入と保守が容易で、システムの停止やセキュリティーの脅威から保護された自律的な「ゼロタッチ エッジコンピューティング プラットフォーム」を提供し、ビジネスクリティカルなアプリケーションの継続的な可用性を保証しています。Fortune500のグローバル企業をはじめとした、世界各国の幅広い業界、規模のお客様に対し、エッジ、クラウド、およびデータセンターで稼働するアプリケーションに安全に情報を送信し、データを実用的なインテリジェンスへと変化させ、稼働時間と効率を向上させる支援を継続的に行ってまいります。
※参考画像:「Stratus ztC Edge 200i/250i」本体画像: